オフセット・クレジット【J-クレジット】

【J-クレジット制度】

 J-クレジット制度は、省エネルギー機器の導入や森林経営などの取組による、CO2などの温室効果ガスの排出削減量や吸収量を「クレジット」として国が認証する制度です。実際の排出削減・吸収活動の成果をクレジットとして売買できますので、低炭素社会実行計画の目標達成やカーボン・オフセットなど、様々な用途に活用できます。クレジット購入者もクレジット創出者の排出削減・吸収活動を資金面で支援することができ、社会全体で排出削減・吸収活動が一層推進されます。

【諸塚村のJ-クレジット】

 諸塚村では、2010年に諸塚村森林炭素吸収量活用プロジェクト(諸塚村有林、耳川広域森林組合諸塚支所所有林、(一社)ウッドピア諸塚所有林が対象)として、オフセット・クレジット(J-VER)制度で認定されています。その後、2014年に国の制度変更に伴い、J-クレジットに移管されています。この森林管理の推進によりCO2吸収を促進し、環境にやさしい低炭素社会を実現する一助となることはもちろんですが、継続的で計画的な施業計画を推進することによって、施業の計画的な創出を行うことで雇用を安定させ、地域に根ざした林業従事者の雇用の創出につなげ、森林管理者=山村の後継者の育成を目指しています。

 また、国土の保全、水源涵養など森林本来の機能を維持できるような健全な森づくりが可能になります。その豊かな森とその資源を活用した、産直住宅やエコツアーなど、都市と交流することで、地域の活性化策になることも期待されます。

【クレジットの申し込み】

諸塚村J-クレジットの協賛のお申し込み

【プロジェクト概要】

プロジェクト代表事業者 諸塚村
同   事業者 耳川広域森林組合
同   事業者 (一社)ウッドピア諸塚
事務局:諸塚村森林認証研究会 森林炭素吸収量活用委員会
諸塚村役場企画課内 Tel 0982-65-1116
申請森林面積 769.22ha  クレジット発行量 3,365 CO2-t

諸塚村のカーボン・オフセット事業の経過
H20.6 森林認証研究会事務局会議
※ 森林管理及び産直住宅事業の生産・流通過程での環境貢献度を見える化する事業の検討を始める
H20.8 カーボン・オフセット事業の研究開始
H20.11.30 第1回諸塚村森づくりセミナー
「森づくりで環境問題を解決する方法」
H21.6.26 環境省オフセット・クレジット(J-VER制度)全国説明会
H21.6.30 第2回諸塚村森づくりセミナー
「森づくりで環境問題を解決する方法」
H21.7.6 諸塚村森林認証研究会でJ-VER申請準備の開始
H21.7.13 諸塚村森林認証研究会
第1回森林炭素吸収量活用委員会
H21.8.12 諸塚村森林認証研究会
第2回森林炭素吸収量活用委員会
H21.10.23 諸塚村のJ-VER制度プロジェクト申請
H21.12.3 諸塚村のプロジェクト登録完了
H21.12 諸塚村のプロジェクト対象森林のモニタリング
H22.1.14~15 検証機関によるモニタリングの検証
H22.1.29 諸塚村のJ-VER制度検証報告書提出
H22.3.14  カーボンオフセットイベント
第3回世界森林認証祭り「森の恵みの感謝祭」
H22.4.1 諸塚村のJ-VER制度認証の完了・クレジット発行

諸塚村のプロジェクトの詳細は国のクレジット管理サイトでご確認ください。
japancredit.go.jp プロジェクト番号JVR0011

【今後の展望】

 日本の中山間地の森林管理の実情は、木材価格の下落と不安定さに加えて、過酷な労働環境、必要なスキルの高さから、林業の担い手が減少し、荒れた森林が増えています。ボランティアや森林環境税等での放置林の管理など、場当たり的な対策の資金創出はなされていますが、放置される原因を捨象した対策であることは否めません。

 国土の過半を占める人工林の維持管理には人の手が必要ですが、それを担うために森に住み、森を守る人達のいる山村の集落を維持していくのはとても厳しい。このままでは最後まで踏ん張っている林家も押しつぶされそうな状況です。

 その意味で、このJクレジット制度は、森林施業の担い手が頑張っている森林が社会的に評価されるシステムです。資金も山に還元され、森と集落を守る後継者を育てることで、持続可能な森林づくりにつながる可能性があります。諸塚村は、このクレジットによる収入を、森林管理にかかる経費の財源として活用し、森林施業組織の人材育成とあわせて、森を守る集落の後継者づくりにつながることも期待しています。

 また、単に企業にクレジットを販売する経済的な面のみを目的とするのではなく、産直住宅と同様にお互い理解し合い、顔の見える関係を重視すべきです。また、地球温暖化対策は、待ったなしの状況です。中山間地域に棲む私たちも、地球全体のことを考え、自分たちのできる努力を続けることが、「誰も置き去りにしない」持続可能な社会の達成につながると考えています。

問合先:諸塚村森林認証研究会 森林炭素吸収量活用委員会
諸塚村企画課内 Tel 0982-65-1116
■諸塚村森林炭素吸収量活用プロジェクトへの賛同申込について

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